「ChatGPTを使えば、仕事を効率化できる」

そう聞いて使ってみたものの、

「メール作成?」
「資料づくり?」
「Excel?」
「結局、自分の仕事では何に使えばいいんだろう?」

と、手が止まっていませんか。

僕も最初はChatGPTの活用例を調べては、「便利そうだけど、何から試せばいいんだろう」と迷っていました。

できることが多いぶん、自分の仕事と結びつけるのが意外と難しかったからです。

そこで、探す順番を変えました。

「ChatGPTで何ができるか」ではなく、「今日の仕事で何が面倒だったか」から考える。

つまり、

AI → 仕事

ではなく、

仕事 → 面倒 → AI

の順番です。

この記事では、普段の仕事にある「面倒」を5分で棚卸しして、ChatGPTで業務効率化できそうな作業を見つける方法を紹介します。

難しいシステム構築や自動化は必要ありません。

まずは昨日の仕事を振り返り、「これならChatGPTに相談できそう」と思える作業を1つ見つけるところから始めてみましょう。

ChatGPTで業務効率化できないのは「使い方」から探しているから

ChatGPTの機能から考えると、自分の仕事につながりにくい

ChatGPTの仕事での活用例を調べると、さまざまな使い方が出てきます。

● メールを作成できる

● 長い文章を要約できる

● Excelの関数を考えられる

● 資料の構成案を作れる

● アイデア出しができる

どれも便利そうです。

ただ、一覧を眺めているだけでは、

「この中で、自分はどれを使えばいいんだろう?」

となりがちです。

僕も活用例を探していた頃は、できることを知るほど選択肢が増えて、かえって最初の一歩を決めにくくなっていました。

これは、ChatGPTの使い方を知らないからではありません。

機能を知ることと、自分の仕事での使いどころが見つかることは別だからです。

たとえば「文章を作成できます」と言われても、普段どの文章に時間がかかっているのかが分からなければ、具体的な活用にはつながりません。

機能の一覧から仕事を探すよりも、普段の仕事から使えそうな機能を探す方が、ChatGPTで業務効率化できるポイントは見つけやすくなります。

AIではなく「自分の仕事」から考える

そこでおすすめなのが、AIではなく自分の仕事から考える方法です。

まず、普段の仕事を振り返ります。

次に、その中で時間がかかったことや、繰り返していること、正直やりたくないことを見つけます。

最後に、その「面倒」をChatGPTで減らせないか考えます。

たとえば、毎週作っている報告メールが面倒だったとします。

「報告メールを送る」という仕事だけを見ると、AIの使いどころは分かりにくいかもしれません。

しかし、面倒な部分を細かく見ると、

● 毎回、文章をゼロから考えている

● メモを読みやすい順番に並べ直している

● 相手に合わせて表現を整えている

といった作業が見えてきます。

ここまで分かれば、ChatGPTに文章のたたき台を作ってもらえそうだと気づけます。

最初から「ChatGPTを何に使おう?」と考える必要はありません。

まずは、

「今日の仕事で、何が面倒だっただろう?」

と振り返るだけで十分です。

ここが意外と大事でした。AIの機能ではなく自分の困りごとを出発点にすると、仕事で本当に使える活用方法を考えやすくなります。

AIで効率化しやすい「面倒な仕事」の特徴

では、どんな「面倒」を探せばよいのでしょうか。

すべての仕事がChatGPTに向いているわけではありません。まずは、次の4つに当てはまる仕事を探してみると、AIで効率化できる候補を見つけやすくなります。

① 毎回同じようなことをしている

何度も繰り返している仕事は、AI活用の候補です。

たとえば、次のような仕事があります。

● 定型メールを作る

● 毎週・毎月の報告をまとめる

● 会議前の準備をする

● Excelのデータを集計する

● 似たような資料を作る

1回あたりの作業時間は短くても、毎日や毎週繰り返せば、使っている時間は大きくなります。

すべてを自動化しなくても、文章のひな形を作ったり、作業手順を整理したりするだけで負担を減らせます。

「これ、前にも同じようなことをやったな」と感じる仕事があれば、チェックしておきましょう。

② 文章を読んだり書いたりしている

ChatGPTが特に力を発揮しやすいのが、文章に関わる仕事です。

● メールの下書きを作る

● 報告書の文章を整える

● 議事録を読みやすくまとめる

● 長い資料を要約する

● マニュアルを分かりやすく書き直す

僕の場合、文章そのものを書くよりも、「どういう順番で伝えれば分かりやすいか」を考える時間が意外とかかっていました。

そんなときに、メモや伝えたい内容をChatGPTに渡して、最初の文章案を作ってもらうだけでもかなりラクになります。

完成した文章をそのまま使うのではなく、下書きを作るところまで手伝ってもらうイメージです。

③ 情報を探したり整理したりしている

情報を集めて、必要な形に整える仕事もAIと相性があります。

● 過去資料から必要な情報を探す

● 複数の案を比較する

● 長い文章から要点を抜き出す

● 会議で出た意見を整理する

● バラバラなメモを項目ごとに分ける

こうした作業は、何か新しいものを生み出しているように見えなくても、意外と時間を使います。

必要な情報を安全な範囲でChatGPTに渡せるなら、「要点を3つにまとめて」「共通点と違いを表にして」と頼むことで、整理の時間を短くできます。

④ 毎回ゼロから考えている

仕事で時間がかかるのは、手を動かしているときだけではありません。

「何から始めよう」「どういう構成にしよう」と考えている時間も、立派な作業時間です。

たとえば、次のような場面です。

● 資料の構成を考える

● メールの書き出しを考える

● 会議のアジェンダを作る

● 改善案やアイデアを出す

● 相手に伝わる説明方法を考える

ここでは、ChatGPTに完成品を作らせようとしなくても大丈夫です。

まずは「たたき台を3案出して」と頼み、その中から使えそうなものを選ぶだけでも、ゼロから考える負担を減らせます。

僕も最初は、AIに完成品を作ってもらおうとしていました。しかし、実際に仕事で使いやすかったのは、最初の一歩を手伝ってもらう使い方でした。

繰り返す、読む、書く、探す、整理する、考える。

普段の仕事にこうした作業が含まれていれば、ChatGPTで業務効率化できる可能性があります。

次は、昨日の仕事を振り返りながら、この「面倒」を5分で見つける方法を紹介します。

仕事の「面倒」を5分で棚卸しする4ステップ

ここからは、実際に仕事の「面倒」を探していきます。

用意するのは、紙かスマホのメモだけです。5分のタイマーをセットして、次の4ステップを順番に進めてみてください。

業務全体をきれいに整理する必要はありません。まずは、AI活用のきっかけを1つ見つけられれば十分です。

STEP1|昨日やった仕事を1分で書き出す

最初の1分で、昨日やった仕事を思い出した順に書き出します。

たとえば、次のような内容です。

● メール返信

● 朝会

● 会議

● 会議資料の作成

● Excelの集計

● 上司への報告

● 問い合わせ対応

細かい作業まですべて思い出す必要はありません。5〜10個ほど出せれば十分です。

僕も最初は「自分の業務を全部整理しよう」と考えていました。しかし、それでは棚卸し自体が面倒になってしまいます。

まずは「昨日の仕事」だけに絞った方が、具体的に思い出しやすく、すぐに始められました。

STEP2|「面倒だった仕事」に○をつける

次の1分で、書き出した仕事の中から「面倒だったもの」に○をつけます。

判断基準は、次のどれかに当てはまるかどうかです。

● 時間がかかった

● 何度も同じことをしている

● 正直、あまりやりたくない

この段階では、「AIでできるか?」は考えません。

AIで効率化できそうな仕事だけを探そうとすると、候補を自分で狭めてしまうからです。

「なぜか疲れた」「手をつけるのが嫌だった」という感覚でも構いません。まずは、自分が面倒だと感じた仕事をそのまま選びます。

STEP3|「何が面倒なのか」を一言で書く

ここに2分使います。

○をつけた仕事について、業務そのものではなく、その中の何が面倒だったのかを一言で書きます。

|仕事     |何が面倒?     |
|——-|———-|
|メール返信  |文章を毎回考える  |
|会議資料   |構成をゼロから考える|
|Excel集計|毎回データを加工する|
|問い合わせ対応|必要な資料を探す  |
|議事録    |会議内容を整理する |

ここが、AIの使いどころを見つけるうえで大切なポイントです。

たとえば、「会議資料を作る」だけでは、仕事の範囲が広すぎます。

しかし、

● 構成をゼロから考える

● 長い文章を短くまとめる

● 相手に伝わる表現へ直す

という小さな作業に分けると、ChatGPTに頼めそうな部分が見えてきます。

「どこで手が止まったか」「何に時間がかかったか」と考えると、面倒の正体を見つけやすくなります。

STEP4|AIに相談できそうなものに★をつける

最後の1分で、ChatGPTに相談できそうな作業へ★をつけます。

次のような作業が含まれていたら、AI活用の候補です。

● 書く

● 読む

● 探す

● 整理する

● 考える

● 繰り返す

たとえば、次のように考えます。

会議資料を作る

何が面倒?

構成をゼロから考える

★ChatGPTに構成案を作ってもらえるかもしれない

これで、5分間の棚卸しは完了です。

★をたくさんつける必要はありません。1つ見つかれば、まずはその作業についてChatGPTに相談してみます。

大きな仕事を丸ごとAIに任せるのではなく、その中にある小さな「面倒」を手伝ってもらう。

この考え方に変えると、自分の仕事に合ったAI時短のネタを見つけやすくなります。

実際に棚卸しすると、AI時短ネタはこう見つかる

ここまでの方法で仕事を棚卸しすると、どのようにAI活用へつながるのでしょうか。

僕が実際に効果を感じた、会議資料づくりを例に紹介します。

Before|PowerPointを開いてから考えていた

以前は会議資料を作るとき、まずPowerPointを開いていました。

しかし、白紙のスライドを前にして、

「何を説明しよう」
「どの順番なら伝わるだろう」
「結局、何を決めてもらいたいんだっけ」

と考え込んでしまうことがよくありました。

資料を作る作業よりも、構成を決めるまでに時間がかかっていたのです。

棚卸しして分かった「面倒」の正体

この仕事を先ほどの方法で分解すると、次のようになりました。

|棚卸し項目     |内容                |
|———-|——————|
|やっていた仕事   |会議資料を作る           |
|面倒だったこと   |構成をゼロから考える        |
|AIに頼めそうな部分|情報を整理して、構成のたたき台を作る|

面倒だったのは、PowerPointを操作することではありませんでした。

会議の目的や伝えたいことを整理し、資料の順番をゼロから考えることだったのです。

ここまで小さく分解すると、ChatGPTの使いどころが見えてきます。

ChatGPTに構成のたたき台を作ってもらう

そこで、ChatGPTに次の情報を渡しました。

● 会議の目的

● 説明する相手

● 伝えたいこと

● 会議で決めたいこと

そのうえで、「この内容が伝わる会議資料の構成案を作ってください」と相談します。

すると、表紙から結論までの流れをたたき台として出してもらえます。

もちろん、そのまま資料にするわけではありません。不要な項目を削ったり、順番を入れ替えたりしながら、自分の会議に合う形へ整えます。

それでも、何もない状態から考え始めるより、かなりラクになりました。

結果|構成を考える時間が約30分から約5分に

僕の場合、資料の構成を決めるまでに約30分かかっていたところ、ChatGPTを使うことで約5分まで短縮できました。

ここで短くなったのは、資料を完成させるまでの時間ではなく、構成を考える時間です。

ChatGPTに資料を丸ごと任せたのではありません。最初のたたき台を作ってもらっただけです。

それでも、ゼロから考える負担が減り、資料づくりに取りかかりやすくなりました。

具体的な入力内容や構成案の直し方は、関連記事の「ChatGPTで会議資料の構成を30分→5分にした方法」で詳しく紹介しています。

このように、

大きな仕事を選ぶ → 面倒な部分を分解する → 小さな作業をChatGPTに手伝ってもらう

という順番で考えると、自分の仕事に合ったAI時短ネタを見つけやすくなります。

棚卸し自体もChatGPTに手伝ってもらえる

ここまで読んで、

「面倒な仕事は思いついたけれど、何が面倒なのかうまく言葉にできない」

と感じる人もいると思います。

そんなときは、棚卸しそのものをChatGPTに手伝ってもらう方法もあります。

きれいに整理してから入力する必要はありません。まずは、普段やっている仕事を箇条書きで伝えるだけで十分です。

たとえば、次のように相談します。

> 昨日はメール返信、会議資料の作成、Excel集計、問い合わせ対応をしました。AIで効率化できそうな部分を見つけたいので、それぞれの何が面倒なのか一緒に整理してください。

するとChatGPTから、

● どのくらいの頻度で行っていますか?

● 1回あたり何分かかりますか?

● 作業のどこで手が止まりますか?

● 毎回同じ手順を繰り返していますか?

● 特に考えるのが大変なのはどこですか?

といった質問をしてもらえます。

その質問に答えていくと、「会議資料を作るのが面倒」という大きな悩みが、

● 構成を毎回ゼロから考えている

● 情報を並べ替えるのに時間がかかる

● 相手に合った説明方法で迷う

という小さな作業に分かれていきます。

僕も、自分だけで改善案を考えようとすると、いつものやり方を前提にしてしまうことがありました。

ChatGPTに質問してもらうと、普段は気にしていなかった手間に気づきやすくなります。

最初から「AIをどう使うか」まで考えなくても大丈夫です。

まずは普段の仕事を伝えて、どこに時間がかかっているのかを一緒に整理してもらう。そこから、ChatGPTに手伝ってもらえそうな作業を探します。

ただし、仕事の内容を入力するときは注意が必要です。

会社の利用ルールを確認し、顧客名・個人情報・社外秘の情報などは入力しないようにしましょう。必要であれば、会社名を「A社」に置き換えるなど、具体的な情報を伏せて相談します。

次の章では、仕事の棚卸しからAI活用候補のランキングまでまとめて依頼できる、コピペ用のプロンプトを紹介します。

コピペOK|AI時短ネタを見つけるプロンプト

「仕事は書き出せたけれど、どれから試せばいいか分からない」

そんなときは、次のプロンプトをChatGPTに貼り付けてみてください。

普段の仕事を入力すると、面倒な作業を細かく分解し、AIで効率化できそうな順に整理してもらえます。

分からない項目は、空欄のままでも大丈夫です。

“`text
あなたは、会社員の業務改善を支援するアドバイザーです。

以下の「普段やっている仕事」をもとに、ChatGPTで効率化できそうな作業を見つけてください。

業務を丸ごとAI化するのではなく、その中にある「書く・読む・探す・整理する・考える・繰り返す」といった小さな作業に分解して考えてください。

【普段やっている仕事】

1.
仕事内容:
面倒だと感じること:
頻度:
1回あたりの所要時間:

2.
仕事内容:
面倒だと感じること:
頻度:
1回あたりの所要時間:

3.
仕事内容:
面倒だと感じること:
頻度:
1回あたりの所要時間:

【お願いしたいこと】

それぞれの仕事について、次の項目を表で整理してください。

・現在の作業
・面倒なポイント
・頻度
・現在の所要時間
・AIで効率化できる可能性(高・中・低)
・具体的なAI活用方法
・導入難易度(低・中・高)
・1回あたりに削減できそうな時間
・1か月あたりに削減できそうな時間

判断に必要な情報が足りない場合は、推測で埋めず、先に質問してください。

専門用語はできるだけ使わず、初心者にも分かる言葉で説明してください。

最後に、「簡単に始められて、時短効果が大きそうな順」にランキングしてください。

さらに、1位の作業について、今日すぐ試せる具体的な手順と、ChatGPTへの依頼文の例を1つ作ってください。
“`

たとえば、次のように入力します。

“`text
仕事内容:会議資料の作成
面倒だと感じること:構成を毎回ゼロから考える
頻度:週2回
1回あたりの所要時間:60分
“`

すると、ChatGPTから「会議の目的や伝えたいことを入力し、最初に構成案を作ってもらう」といった活用方法を提案してもらえます。

ここで出てくる削減時間は、あくまで目安です。まずは1回試して、本当に時間が短くなったかを確認してみてください。

僕の場合も、最初から良い改善案が見つかったわけではありません。試して、少し直して、もう一度使う。その繰り返しで、自分の仕事に合う使い方が見えてきました。

候補がいくつも出てきたら、すべてを一度に試す必要はありません。まず選びたいのは、小さいけれど何度も繰り返している仕事です。

最初にAI化するなら「小さいけれど何度もやる仕事」

AI活用の候補がいくつも見つかったら、最初から一番大きな仕事を選ぶ必要はありません。

おすすめは、1回の負担は小さいけれど、何度も繰り返している仕事です。

たとえば、次のような作業があります。

● 毎朝送る定型メールの下書き

● 会議前に作るアジェンダのたたき台

● 箇条書きのメモを報告文に整える作業

● 毎週の報告内容を短くまとめる作業

● Excelで使う関数やデータ整理方法を考える作業

こうした仕事は、1回あたり5分ほどしかかかっていないかもしれません。

しかし、平日に毎日行っていれば、

5分 × 月20回 = 月100分

になります。

1回で大幅な時短を狙わなくても、繰り返す仕事を少しラクにするだけで、効果は積み上がっていきます。

最初は「効果の大きさ」より「試しやすさ」で選ぶ

最初のAI活用では、次の条件に当てはまる仕事が向いています。

● 頻度が高い

● 作業の流れがある程度決まっている

● 文章や情報を人が確認しやすい

● 失敗しても大きな問題になりにくい

● 今日から試せる

反対に、複数の部署が関わる仕事や、判断を間違えると影響が大きい仕事は、最初の一歩としては少し重すぎます。

僕も、最初から大きな業務を変えようとすると、準備や調整ばかり増えてしまうことがありました。

まずは、自分の手元で試せる小さな作業から始める。その方が、ChatGPTを使う前後の違いも確認しやすくなります。

小さな成功体験を1つ作る

最初の目標は、仕事を完全に自動化することではありません。

「いつも10分かかっていた作業が、今日は7分で終わった」

まずは、これくらいで十分だと思います。

1つの作業で効果を感じられたら、使った依頼文を保存して、次回も試します。

うまくいかなかった部分があれば、入力する情報や頼み方を少し直します。

この繰り返しで、自分の仕事に合ったChatGPTの使い方が少しずつ見えてきます。

大きな改革を狙うより、何度も発生する小さな「面倒」を1つ減らす。

それが、仕事でAI活用を続けるための始めやすい方法です。

ChatGPTで業務効率化するときの注意点

ChatGPTは仕事の「面倒」を減らすのに役立ちます。

ただし、便利だからといって、何でも入力したり、出てきた回答をそのまま使ったりするのは危険です。

仕事で使うときは、次の3点に注意しましょう。

会社の機密情報をそのまま入力しない

まず確認したいのが、会社のAI利用ルールです。

会社が使用を認めているサービスや、入力してよい情報の範囲を確認してから使います。

特に、次のような情報はそのまま入力しないようにしましょう。

● 顧客名や取引先名

● 氏名・住所・連絡先などの個人情報

● 社外秘の資料やデータ

● 契約金額や未公開の計画

● 社内だけで使っているIDやパスワード

たとえば、メールの文章を考えてもらう場合は、取引先名を「A社」、担当者名を「担当者A」に置き換えます。

資料の構成を相談するときも、必要な情報だけを抜き出し、具体的な名称や数字を伏せて伝えます。

情報を置き換えれば必ず入力してよいわけではありません。迷ったときは自己判断せず、会社のルールを優先してください。

AIの回答をそのまま使わない

ChatGPTは、もっともらしい内容でも間違えることがあります。

たとえば、次のようなミスです。

● 数字や日付が変わっている

● 指示していない内容が追加されている

● Excelの関数が想定どおり動かない

● 相手に合わない表現になっている

● 事実と異なる説明が含まれている

そのため、ChatGPTの回答は完成品ではなく、確認が必要なたたき台として使います。

仕事で使う前に、少なくとも次の3点を確認します。

● 事実や数字に間違いがないか

● 自分の意図とずれていないか

● 相手にそのまま見せても問題ない表現か

僕も、ChatGPTに最初の案を作ってもらうことはありますが、最後は自分で読み直して修正します。

最初の負担はAIに減らしてもらい、最終的な判断は人が行う。この役割分担が大切です。

最初から完全自動化しない

最初から仕事のすべてをAIに任せようとすると、うまくいかなかったときに原因を見つけにくくなります。

まずは、作業の一部分だけを手伝ってもらいましょう。

たとえば、報告メールなら次の順番で試します。

1. ChatGPTに下書きだけ作ってもらう

2. 自分で内容を確認して修正する

3. 本当に時間が短くなったか確認する

4. 何度か使ってから、依頼文をテンプレートにする

繰り返し使っても問題がなく、効果も確認できてから、必要に応じて自動化の範囲を広げます。

特に、ファイルの削除・データの上書き・メールの自動送信など、間違えたときの影響が大きい作業は慎重に進める必要があります。

僕も、まず小さく試してから少しずつ範囲を広げる方が、修正しやすく、仕事にも定着させやすいと感じています。

ChatGPTで業務効率化するときは、すべてを任せる必要はありません。

安全な範囲で小さく試し、人が確認しながら使う。

この使い方なら、失敗のリスクを抑えながら、仕事の「面倒」を少しずつ減らしていけます。

まとめ|昨日の仕事から「小さな面倒」を1つ見つけよう

ChatGPTで業務効率化したいとき、最初からAIの使い方を探す必要はありません。

大切なのは、自分の仕事にある「面倒」から考えることです。

今回紹介した棚卸しは、次の4ステップです。

1. 昨日やった仕事を書き出す

2. 面倒だった仕事に○をつける

3. 何が面倒だったのかを一言で書く

4. AIに相談できそうな作業に★をつける

「会議資料を作る」「問い合わせに対応する」といった大きな仕事のままでは、ChatGPTの使いどころは見つけにくいものです。

しかし、その仕事を細かく見ていくと、

● 構成をゼロから考える

● 長い文章を短くまとめる

● 必要な情報を探す

● 箇条書きを報告文に整える

といった、AIに手伝ってもらえそうな小さな作業が見えてきます。

最初から業務全体を自動化する必要はありません。

まずは、小さいけれど何度も繰り返している仕事を1つ選び、ChatGPTにたたき台を作ってもらうところから始めてみてください。

その際は会社の利用ルールを守り、機密情報を入力しないこと、出てきた回答を自分で確認することも忘れないようにしましょう。

僕自身も、AIに仕事を丸ごと任せたのではなく、毎日の小さな「面倒」を1つずつ減らしてきました。

まずは今日、5分だけ時間を取り、昨日の仕事を書き出してみましょう。

その中から、

「これならChatGPTに相談できそう」

と思える作業を1つ見つけられれば、業務効率化の最初の一歩は完了です。