ChatGPT for Excelは何から試す?僕が「合計1行」から始める理由
「ExcelでChatGPTを使ってみたいけれど、検索すると似た名前のアドインが出てきて迷う」
そんな方に向けて、この記事ではOpenAI公式のChatGPT for Excelだけを扱います。
新しいAI機能を見ると、できることを一気に試したくなります。けれど僕は、AIに完成品を一度で作らせるより、まず「何を少し楽にしたいのか」を対話で一つに絞るほうが続けやすいと感じています。
そこで今回は、グラフも分析も行いません。5行のダミー売上一覧へ合計を1行だけ追加することに絞り、変更前の確認と、変更後の検算までを一つの練習にします。
ひでぱぱ式・最初の3ステップ
- 目的を一つに絞る
- AIに変更内容を説明させる
- 小さなダミー表で検算する
この記事のダミーファイルと合計値は検証済みです。一方、Mac版Excel上で公式アドインがセルを変更する一連の画面は未検証のため、ボタン名は公式案内を基にし、画面差があり得る箇所を明記しています。
練習用Excelはこちら: 5行のダミー売上一覧をダウンロード
先に結論:無料版も日本も対象。ただし利用条件を確認しよう
2026年8月17日時点で、OpenAIはChatGPT for Excelを世界向けに提供しています。そのため、日本も対象地域に含まれます。
対象のChatGPTプランは、Free、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu、K-12です。ChatGPT Freeでも対象ですが、FreeとGoは利用量が制限されています。PlusとProも、各プランのエージェント機能の利用上限内で使います。
なお、「ChatGPT Freeが対象」という意味であり、Microsoft Excel自体の利用条件まで無料になるわけではありません。会社のMicrosoft 365環境では、管理者がアドインの追加を制限している場合もあります。
最新の対象プランと提供地域は、OpenAI公式ヘルプで確認できます。
ChatGPT for Excelとは?
ChatGPT for Excelは、Excelの中にサイドバーとして表示されるAI機能です。自然な言葉で依頼すると、開いているブックの数式やセルを確認し、表の作成・更新・説明を支援します。
OpenAIは2026年5月5日、ChatGPT for ExcelとGoogle Sheetsを全対象プランで一般提供したと発表しました。現在はベータ版だけを対象にした古い案内ではなく、一般提供後の情報を確認する必要があります。
公式情報: ChatGPT for Excelの発表と更新履歴
似たサービスとの違い
名前が似ていても、提供元や使い方は同じではありません。
| 種類 | 提供元 | 主な使い方 | 見分けるポイント |
|---|---|---|---|
| ChatGPT for Excel公式アドイン | OpenAI | Excel内のサイドバーから、開いているブックを確認・更新する | Microsoft Marketplaceの発行元が「OpenAI, LLC」 |
| Copilot in Excel | Microsoft | MicrosoftのAI機能をExcel内で使う | Microsoft 365側の契約・管理設定が基準 |
| ChatGPTのWeb版 | OpenAI | ブラウザへ表計算ファイルをアップロードして分析する | Excel内の公式サイドバーとは別の画面 |
| 類似名の第三者製アドイン | 各開発会社 | 製品ごとに異なる | 発行元、料金、権限、データの扱いを個別に確認する |
Microsoftの「Copilot in Excel」も、数式の作成やブックの編集を支援します。ただし、提供元と利用条件はChatGPT for Excelとは別です。詳しくはMicrosoft公式のCopilot in Excel案内を確認してください。
ChatGPTのWeb版でも、アップロードした表計算ファイルの分析や表の編集はできます。一方、今回使う公式アドインは、Excel内のサイドバーから開いているブックを扱うためのものです。両者のチャット履歴は同期されません。
公式アドインの見分け方
Microsoft Marketplaceでは、次の2点を確認します。
- アプリ名:ChatGPT
- 発行元:OpenAI, LLC
Microsoft Marketplaceの公式掲載ページからも確認できます。似た名前だけで判断せず、発行元まで見てください。
今回の完成イメージ
次の5行のダミー売上一覧を作り、最終行へ合計を追加します。
| セル | 品目 | 売上(円) |
|---|---|---|
| 6行目 | ノート | 1200 |
| 7行目 | ペン | 800 |
| 8行目 | ファイル | 1500 |
| 9行目 | 付箋 | 0 |
| 10行目 | 電卓 | 3900 |
| 11行目 | 合計 | 7400 |
0円の行も含めることで、値が0の行を飛ばさず合計できているか確認します。
準備するもの
- デスクトップ版またはWeb版のMicrosoft Excel
- 対象プランで利用できるChatGPTアカウント
- アドインを追加できるMicrosoftアカウントまたは会社の許可
- 新しい空のブック
OpenAI公式の導入案内はデスクトップ版とWeb版のExcelを対象にしています。ただし、本記事ではMac版Excelの画面を実機確認していません。Mac、Windows、Web版、Excelの更新状況によって、ボタン名や位置が少し異なる場合があります。
会社の端末では、先に社内ルールを確認してください。「アドイン」が表示されない場合や追加できない場合は、設定を回避せずMicrosoft 365の管理者へ相談します。
手順1:5行のダミー売上一覧を作る
新しい空のブックを開き、セルA5を選びます。次の内容をそのままコピーして貼り付けてください。配布する練習ファイルも同じ配置です。
品目 売上(円)
ノート 1200
ペン 800
ファイル 1500
付箋 0
電卓 3900
貼り付け後、A5:B10に見出しと5行のデータが入っていることを確認します。
今回は架空の品目と金額だけを使います。実在する会社名、顧客名、社員名、商品コード、未公開の売上は入力しません。
手順2:OpenAI公式アドインを追加する
OpenAI公式ヘルプでは、次の流れが案内されています。
- Excelを開く
- 「ホーム」を開く
- 「アドイン」を選ぶ
ChatGPTを検索する- 発行元が「OpenAI, LLC」であることを確認して追加する
- リボンからChatGPTを開く
- 対象プランのChatGPTアカウントでサインインする
画面の表示が違うときは、Excel内で無理に探し続けず、Microsoft Marketplaceの公式掲載ページを確認してください。
会社のExcelでストアが使えない場合、管理者が組織内へアドインを配布する方法もあります。利用者自身で非公式ファイルを入れず、管理者へOpenAI公式の導入手順を共有しましょう。
手順3:変更前に計画を確認する
ChatGPTのサイドバーを開いたら、次のプロンプトをコピーして送ります。
このシートのA5:B10には、見出しと5行のダミー売上一覧があります。
A11に「合計」、B11にB6:B10を合計する数式「=SUM(B6:B10)」を追加したいです。
A5:B10の値と書式は変更しないでください。
まず、変更するセルと入れる内容を1行で説明し、私の確認を待ってください。
私が「実行してください」と返信するまで、シートを編集しないでください。
最初から完璧な指示を書こうとしなくても大丈夫です。僕がAIを使うときも、対話しながら目的を言葉にすることで、最初は曖昧だった考えが整理されていきます。まずChatGPTが理解した内容を見て、目的と違う点があれば一つずつ直します。
条件を対話で整理する流れは、ChatGPTと壁打ちしてExcelの期限切れ判定式を作る方法でも具体例を紹介しています。
期待する説明は、次のような内容です。
A11に「合計」、B11に「=SUM(B6:B10)」を追加し、A5:B10は変更しません。
変更セルや数式が違う場合は、まだ実行しません。たとえば次のように返します。
B11の数式は「=SUM(B6:B10)」にしてください。A5:B10は変更しません。もう一度、変更内容だけを説明してください。
手順4:合計を追加する
説明が合っていたら、次の一文を送ります。
実行してください。
編集の確認ボタンが表示された場合は、変更対象がA11とB11であることを見てから承認します。画面によってボタン名や確認の出方は異なる可能性があります。
作業後、シートの11行目に「合計」と金額が追加されたことを確認します。
手順5:保存前に自分で検算する
AIの作業は、正解ではなく確認が必要な候補です。まだ保存せず、次の4点を確認します。
式がエラーになった場合は、#N/A・#VALUE!・範囲ずれを順番に直す方法も参考にしてください。
- A11が「合計」になっている
- B11を選ぶと、数式バーに
=SUM(B6:B10)と表示される - B11の計算結果が
7400になっている - A5:B10の値が変わっていない
手計算でも確認します。
1200 + 800 + 1500 + 0 + 3900 = 7400
0円の「付箋」もデータの1行です。行が削除されていないことも見てください。
4点すべてが一致すれば、今回の作業は完了です。この記事では、確認できた状態で止め、まだ保存しません。
うまくいかないときの直し方
「アドイン」が見つからない
Excelの版や会社の管理設定によって、追加機能が表示されないことがあります。Microsoft Marketplaceへ直接アクセスするか、社内のMicrosoft 365管理者へ確認してください。
似た名前のアドインしか出てこない
アプリ名だけで選ばず、発行元が「OpenAI, LLC」か確認します。確認できないものは、この記事の手順では追加しません。
サインインできない
ChatGPT側とMicrosoft側で、使っているアカウントを確認します。会社のSSOやアクセス制御がある場合は、管理者による設定が必要なことがあります。
利用上限の表示が出た
FreeとGoは利用量が制限されています。大きなブックや複雑な編集ほど利用量が増える可能性があります。時間を置いて再度試すか、プランの利用状況を確認してください。
合計が7400にならない
B6:B10が数値になっているか確認します。B11を選び、数式が =SUM(B6:B10) になっていることも見ます。範囲が B6:B9 などになっていたら、B10が抜けています。
数式ではなく「7400」という値だけが入った
次のように依頼し直します。
B11には固定の数値ではなく、数式「=SUM(B6:B10)」を入力してください。A5:B10は変更しないでください。
意図しないセルまで変わった
保存せず、Excelの「元に戻す」を使います。その後、対象セルをA11とB11だけに限定して依頼し直します。重要なファイルで試すときは、先に複製を作ってください。
会社のデータを入れる前に知っておきたいこと
ChatGPT for Excelは回答するために、プロンプト、添付ファイル、関連するスプレッドシートの内容を処理します。Microsoft Marketplaceの掲載情報でも、このアドインは文書を読み書きし、インターネット経由でデータを送信できる機能を持つと案内されています。
また、Microsoftのアドインマーケットプレイス規約のもとで、Microsoftがブックの内容、添付ファイル、プロンプトを読み取れる場合があります。OpenAIは、製品内のデータを設定画面から削除・ダウンロードできること、一部のデータログを安全性と健全性のため最大30日保存する場合があることを案内しています。
そのため、次の情報は自己判断で入力しないでください。
- 顧客名、社員名、メールアドレスなどの個人情報
- 売上、原価、給与、契約内容などの未公開情報
- 社外秘の資料、パスワード、APIキー
- 会社が外部AIへの入力を禁止している情報
データ設定を変更できることと、会社情報を入力してよいことは別です。勤務先の規程と管理者の許可を優先してください。
まとめ:機能を覚える前に、目的を一つに絞ろう
OpenAI公式のChatGPT for Excelは、Excel内で表の作成や更新を対話しながら進められるアドインです。2026年8月17日時点ではChatGPT Freeを含む対象プランへ世界提供されており、日本からも利用対象です。
ただし、AIは数式やセルを間違えることがあります。公式アドインを選び、目的を一つに絞り、変更内容をAI自身に説明させ、ダミーデータで検算する。この小さな往復が、AI任せにしない時短につながります。
次の行動は一つだけです。新しい空のブックへ、この記事の5行のダミーデータを貼り付けてください。
公式情報
- ChatGPT for Excel and Google Sheets|OpenAI Help Center
- Introducing ChatGPT for Excel and new financial data integrations|OpenAI
- ChatGPT by OpenAI, LLC|Microsoft Marketplace
- Extracting Insights with ChatGPT Data Analysis|OpenAI Help Center
- Get started with Copilot in Excel|Microsoft Support
公式情報の確認日:2026年8月17日
